現在“幼馴染み”進行形 side.幸村











「拙者と佐助?

 あぁ、初めて会ったのは拙者が生まれてすぐ。引っ越してきた佐助の母上がごあいさつに来られた時、そのお腹に佐助がいたのでござる。
え?それは会ったことにならない?それもそうでござるな…でもその後は一緒にいるのが当たり前となったから今更聞かれても。自然と今のような関係に落ち着いた、としか言いようがない。ただ、中学校だけは違う学校に通ったのでござる。佐助は頭が良いからな、高校ももっと偏差値の高い所を狙っていたのかと思いきや。初めて耳にしたときは驚いたでござる。
 どうしてなのだろうな。この関連のことについて尋ねても、はぐらかされるから、なかなかわかっていないことが多すぎる。何より、佐助は掘り返されるのを嫌う奴だし、頑固なのだ。自分に課したものは意地でもやり通す。話さない、と決めたら二度と譲らない。どうせまた、見え透いた嘘で逃げるのだろう。拙者よりも数倍器用にできていて何でもそつなくこなすくせに、そこらへんではどうもうまくない。

 …これは本人には言わないで欲しいのだ。しかし、佐助は変わった。前に一度似たようなことを言ったらいたく腹を立てたようで、旦那が変わらなすぎる、と返された。失敬な!これでも昔よりか、格段に成長しているぞ!…と言い返したくても、本気で怒った佐助は怖い…うぅ。怒っていないと言って笑っていても、目が、目が…!用心するにこしたことはないでござる、怒った佐助にはむやみやたらに近づかないのが無難。…なんで溜息をついたのでござる?え?





それにしても、幼馴染みとはなんとも曖昧な関係。今のままなら嬉しい一方苦しいような。この靄がかかった感じは、どうにも居心地が悪いでござる」















(2006/04/22)
佐助ぇ!ななな何もやましいことは言ってないでござるよ!
本当に本当で、本当!